(夢)バーブリバープリ、ダイ、

今朝はちょっと
寂しいような
どこか切ない夢を見た

僕は友人たちとの用事を済ませ
彼らの家に戻る

どことなくセピアな風景
建物は日本の昭和の長屋風、

だったのが
なんとなく入り混じって
どこかカントリー
ドラマ「大草原の小さな家」
を想わせる雰囲気

ドアを開けると
友人のお姉さん

と、途端に映像は
実写から人形劇のように変わり
お姉さんはブラウン管テレビの
中の人になる

お姉さんは
少しけばだつ
フェルトのような質感の生地で
つくられている

ブラウン管の中、
バストショットと呼ばれる
上半身のシーン
仄暗い雰囲気に
カントリー調フェミニンな服装で
電話の受話器を持つ

悲痛な表情、
絞り出すようで
でも気丈な声

「バーブリバープリ、ダイ、、」

僕らは「え?」
と耳を疑う

ほんの数時間前に会った
友人の弟が亡くなったという

小学校高学年くらいで
グレイのチェックのYシャツに
厚手の生地のパンツを吊りベルト、
カントリー風というのか
そんなセピアな雰囲気

髪は金髪というか
ブラウンに近いそんな感じ

弟さんなのだけど
僕の中のイメージは
まさに大草原の小さな家的な
昔の出来事、
おじいさんの時代の
とあるおじさんの話のよう

その弟さんもまた
ブラウン管の中の人形になっている

受話器を持った
お姉さんのシーンから
弟さんの場面に切り替わる

二画面というか
右側に弟さんがいて
左側に親戚のおじさん

弟さんは闇の中、
立ち膝で懺悔をするような姿勢
顔の前に手を合わせて
宙に浮いているような雰囲気

表情は
悲しいような
自分に何が起こっているのか
まだ理解しきれていない感じ

親戚のおじさんの方を向き
話を聴いている

親戚のおじさんは
ニーショットと呼ばれる膝から上、
カメラはローアングルにあって
おじさんから天井までが映る

背景には
アンティークなアップライトピアノ、
壁は白っぽくてレースのような模様
小さなフレームに入った写真が
いくつか掛けてある

受話器を持ったおじさん
セピアな色合いの中、

バーブリバープリが??
信じられない
あんな良い子がなぜ、、、と
絶句

その様子を
弟さんは闇の中、
手を合わせながら聴いている

親戚のおじさんから
近所のおばさんへと
画面左側だけが
オーバーラップのように切り替わる

おばさんもまた
あんな良い子が死んでしまうなんて
バーブリバープリはいたずらっ子だけど
そこが可愛かったと泣いている

弟さんは
闇の中、懺悔の姿勢を崩さず
ふわふわと浮いたまま
それを聴いている

おばさんから
近所の面々、
弟さんの友人たちへと
オーバーラップ

受話器の向こうの声に
想い出を交えながらも
信じられないと皆、言葉を失う

その様子を
闇の中の弟さんは
ずっと聴いている

徐々に
自分の状況を
受け入れ始めているのか
大粒の涙が溢れている

涙は
白い毛糸のようなもので
水滴型につくられていて
それがボロボロと
頬を伝っている

昔のフィルム映画のように
明滅するあかりにノイズ、
セピアな映像

音声は
古いラジオのような
プツプツというノイズ
遠くから聞こえるような
遠のいた現実感

バイオリン的な
悲しいストリングス

弟さんが
自分の死を理解した
というような感じが
伝わってきたところで
目が覚めた

100年ちょっと
昔にあった実話
という感覚

なんだろうな

やはり先日の
お世話になっていた方の訃報、
その影響かな

また昨日は
だいぶ以前に自ら亡くなった
仕事関係の気の良い知人のことも
思い出していたからかな

しばらく
会っていなかった人の死は
現実感がないというか

記憶の中では
共にあった生前の
最も楽しかった時代のシーンが
繰り返されるのみ

声だって
笑顔だって
交わした冗談や軽口だって
ちょっとした冒険だって

まだ鮮やかで
音声までクリアに
耳に残る

バーブリバープリ、
という名前には
聞き覚えはないけれど
彼は死んで
皆は悲しんだ

それは
僕ら当事者にとって
受け入れるまでに
とても時間のかかる
大きな出来事

同じように他の誰かにも
当事者にしか知られない
大きな出来事があって

だけどそれは
時代には残ることのない
おそらく小さな物語

けれど
それでも誰しも
悩み、学び、喜び、
その時代を生きている
僕も含めて

記録に残らない記録、
バーブリバープリの夢

心の奥のなにか、
疼くものあり

 

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